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フレイルとは?ロコモ、サルコペニアとの違いや診断基準について

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このページでは、近年よく使われるようになった“フレイル”とは何かについて、原因・予防法を含めて解説しています。

フレイルとは?ロコモ、サルコペニアとの違い

近年、サルコペニアやロコモティブシンドロームなど聞きなれない言葉が増えたと思ったら、また“フレイル”という言葉を耳にすることが多くなりましたよね。

フレイルとは、加齢に伴い筋力や心身の活力が低下した状態のことを指します。

以前は「虚弱」とも呼ばれていましたが、最近では「フレイル」という言葉に置き換わっているのです。

これは虚弱という言葉がマイナスなイメージがあるために、日本老年学会が置き換えたことによります。

2018年より国(厚生労働省)が主体となってフレイル対策を実施するため、最近注目度が上がっています。

フレイルの3つの原因

フレイルは、大きく3つの原因に分けることができます。

  1. 身体的フレイル
  2. 心理的フレイル
  3. 社会的フレイル

この3つの原因が相関関係にあると言われています。

フレイル要支援要介護

[国立長寿医療研究センター:健康長寿教室パンフレットより]

つまり、もともと健康な人がいずれかの原因でフレイルになり、より進行すると介護が必要な要支援・要介護状態へと陥ってしまうのです。

フレイルとロコモ、サルコペニアとの違い

サルコペニアとは、加齢によって筋肉が衰えたことに伴う筋力低下や身体機能低下のことを指します。

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、筋肉や骨、関節などの運動器の機能低下のことを指します。

フレイル、サルコペニア、ロコモ違い

[国立長寿医療研究センター:健康長寿教室パンフレットより]

フレイルとは前述の通り、身体機能だけではなく、心理的フレイル・社会的フレイルと呼ばれるように、精神的・心理的に活力が低下した状態も含むのです。

フレイルの診断基準

自分はフレイルなんじゃないか?この人フレイルの兆候があるんじゃないかな?

そう思ったとき、フレイルの診断基準は次の5つの項目をチェックします。

  1. 疲労感(疲れがとれなくなってきた)
  2. 活動量の低下(運動や出かけることが少なくなった)
  3. 筋力低下(力が入りにくい)
  4. 身体能力の低下(歩くのが遅くなった)
  5. 体重減少(食欲が減って痩せてきた)

この5つの項目のうち、3つ以上当てはまる場合をフレイルと診断します。

フレイルの予防法

病気や運動不足、口腔機能の低下、低栄養に陥ると、悪循環によってフレイルはさらに進行していきます。

①バランスの摂れた食事②適度な運動③口腔ケアがフレイルの予防では重要とされています。

また、漢方医学における未病に近い状態であることから、漢方薬による予防・治療を選択する場合があります。

フレイルと食事・栄養

フレイルの予防には、タンパク質の摂取が重要と言われています。

これは、筋肉の機能を維持するためです。

また、カルシウムやビタミンDの摂取も骨折予防に重要です。

そのほか、鉄の吸収促進やコラーゲンの生成に働くビタミンCや細胞膜の機能維持に働くビタミンE、赤血球や核酸の合成に必要な葉酸の摂取が求められます。

フレイル栄養

[国立長寿医療研究センター:健康長寿教室パンフレットより]

このため、野菜・肉類・魚類・果物・乳製品・ご飯のように、バランスの良い食事が求められるのです。

フレイルと運動

運動フレイル

筋肉量を増やすためには、運動の前後にアミノ酸やタンパク質を摂取しなければなりません。

アミノ酸は、速やかに筋肉合成に使用されるため、運動中から運動直後に摂取します。

肉や魚などのタンパク質は、吸収に時間がかかるため、運動90分前くらいに摂取します。

筋肉量を増やすためには、ある程度しんどい負荷をかける必要があります。

その負荷をかけた運動を週2-3回行うと効果的です。

フレイルと口腔ケア

歯科医イラスト

口の中が清潔でない、あるいは噛むことができなくなると、味覚異常を来したり、食事を十分に摂ることができなくなります。

食事をしっかり摂れないと、栄養摂取が不十分になり、筋肉組織の破壊や骨がスカスカになってしまいます。

さらに、免疫力の低下や血管の老化によって、肺炎や脳血管障害、心疾患などに掛かりやすくなってしまうのです。

そのため、口の中を清潔にする口腔ケアや、しっかり噛むための入れ歯の作成・手入れが重要となるのです。


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在宅医療における訪問歯科診療の役割

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